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物価が高い・安い都道府県ランキング【最新版】1位東京104.2・最下位群馬96.2、家賃を除くと北海道が1位

総務省統計局「消費者物価地域差指数」の最新結果(2025年、2026年9月公表)から、47都道府県の物価水準を並べた。最も高いのは東京都の104.2、最も低いのは群馬県の96.2で、差は1.08倍。家賃を除くと北海道が1位になる。食料・住居・光熱・水道・教育など費目別の差、前年からの変化、平均年収と最低賃金を物価でならした比較も計算した。

夕方の近所のスーパーのレジ横の木の台に置かれた、野菜や卵、豆腐、牛乳、米袋などを入れた買い物かごを真上から写したAI生成画像
ライフスタイル
公開日: 2026年10月21日
読了時間: 27 分
著者: ぽちょ研究所
読了時間: 27 分

引っ越し先を考えるとき、転勤の話が出たとき、地方に移って暮らす費用を見積もるとき。給料や家賃の数字はすぐに見つかるが、「その土地の物価は全体として高いのか、安いのか」は意外と比べにくい。スーパーの値札を見比べても、分かるのは一部の品物だけだ。

総務省統計局は、毎年「消費者物価地域差指数」を公表している。全国の物価水準を100として、各都道府県の物価水準を1つの数字で表したものだ。最新は2025年の結果で、2026年9月18日に公表された[1][3]。

この記事では、この指数で47都道府県を並べ、食料・住居・光熱・水道などの費目別に、どこで差がついているのかを見た。家賃を除いたときの順位、前年からの変化に加えて、都道府県別の平均年収や最低賃金を物価でならした比較も計算した。

1. 結論:物価が最も高いのは東京都(104.2)、最も低いのは群馬県(96.2)。差は1.08倍にとどまる

  • 2025年の物価水準(総合)は、東京都が104.2で1位。 2位は神奈川県(103.3)、3位は北海道(102.4)、4位は京都府(101.1)、5位は千葉県(100.5)[1]。
  • 最も低いのは群馬県の96.2。 次いで鹿児島県(96.4)、長野県(96.9)、岐阜県(97.2)、栃木県(97.3)。
  • 最も高い東京と最も低い群馬の差は1.08倍。 全国平均(100)以上は10都道府県、100未満は37府県で、30府県が98〜102の狭い範囲に入る。
  • 家賃を除くと、1位は北海道(103.2)になる。 東京は102.2で3位に下がり、埼玉県は7位から15位へ、大阪府は11位から18位へ下がる。
  • 差が大きいのは「住居」と「教育」。 住居は東京(129.8)が岡山(79.1)の1.64倍、教育は大阪(124.7)が富山(78.1)の1.60倍。一方、食料の差は1.12倍、交通・通信は1.06倍にとどまる[1]。
  • 物価でならすと、地域差は縮むが消えない。 推計年収の差は1.69倍から1.59倍に、2026年度の最低賃金の差は195円から156円に縮む。物価でならした最低賃金では、神奈川県が東京都を上回って1位になる。

消費者物価地域差指数とは

消費者物価地域差指数は、世帯が買うさまざまな品物やサービスの価格を総合して、地域ごとの物価水準の差を指数にしたものだ。全国平均を100とし、地方・都道府県・都道府県庁所在市・政令指定都市について毎年作られている[4]。

  • 材料は小売物価統計調査。 毎月の「動向編」の価格と、地域差を測るために調査地域を広げた「構造編」の価格を使う。構造編は、動向編の167市町村以外の89市で、57品目を奇数月に調べている。7日以内の特売価格は調べず、通常の価格を集める[1]。
  • 対象は588品目。 消費者物価指数(CPI)の品目から「持家の帰属家賃」(持ち家を借家とみなしたときの家賃)を除いた品目を使う[4]。
  • 品物ごとの価格差を、支出の重みで合成する。 重み(ウエイト)は家計調査(二人以上の世帯)の直近5年分の支出から作り、全国の重みで平均した指数と地域の重みで平均した指数を組み合わせる(フィッシャー類似算式)[4]。
  • 「総合」と「住居」には持家の帰属家賃が入らない。 「家賃を除く総合」は、総合から民営家賃と公営・都市再生機構・公社家賃を除いたものだ[5]。

いわば「全国の平均的な家庭の買い物かごを、それぞれの土地の値段で買い直したら、いくらになるか」を比べる指数だ。同じ品物の値段の差を見ているので、地域によって買う量が違うこと(暖房をたくさん使う、車をよく使う、など)は、生活費の差ほどには反映されない。この点は8章で詳しく扱う。

2. 47都道府県ランキング:100以上は10都道府県、30府県が98〜102に集まる

順位都道府県総合家賃を除く総合(順位)住居2024年(順位)前年差
1東京都104.2102.2(3位)129.8104.0(1位)+0.2
2神奈川県103.3102.7(2位)110.7103.3(2位)±0.0
3北海道102.4103.2(1位)92.6101.9(3位)+0.5
4京都府101.1101.0(5位)102.2101.1(6位)±0.0
5千葉県100.5100.4(9位)111.8101.2(5位)-0.7
6沖縄県100.4101.3(4位)95.4100.2(9位)+0.2
7宮城県100.2100.4(9位)96.4100.6(7位)-0.4
7埼玉県100.2100.0(15位)104.5100.3(8位)-0.1
9山形県100.1100.9(6位)93.5101.4(4位)-1.3
10岩手県100.0100.4(9位)97.5100.0(10位)±0.0
11高知県99.9100.8(7位)94.8100.0(10位)-0.1
11大阪府99.999.8(18位)98.099.3(16位)+0.6
13熊本県99.8100.8(7位)95.199.4(15位)+0.4
13島根県99.8100.4(9位)89.0100.0(10位)-0.2
15山口県99.6100.2(13位)95.399.9(13位)-0.3
15長崎県99.6100.0(15位)95.199.3(16位)+0.3
17石川県99.4100.1(14位)82.099.5(14位)-0.1
17兵庫県99.499.6(20位)92.799.2(20位)+0.2
19福井県99.399.6(20位)87.399.3(16位)±0.0
20愛媛県99.2100.0(15位)86.598.6(26位)+0.6
21鳥取県99.199.8(18位)85.898.9(22位)+0.2
22福島県99.099.6(20位)93.398.8(23位)+0.2
23徳島県98.999.6(20位)90.799.3(16位)-0.4
24広島県98.899.4(25位)88.598.7(24位)+0.1
25香川県98.799.4(25位)85.198.6(26位)+0.1
25富山県98.799.0(29位)93.898.6(26位)+0.1
27秋田県98.699.1(27位)87.599.2(20位)-0.6
28佐賀県98.599.6(20位)90.297.7(38位)+0.8
28福岡県98.599.1(27位)96.498.0(35位)+0.5
30静岡県98.298.7(32位)92.598.3(31位)-0.1
31三重県98.198.6(33位)88.998.7(24位)-0.6
32宮崎県98.098.9(30位)101.397.0(45位)+1.0
32愛知県98.098.4(37位)94.698.1(33位)-0.1
34青森県97.998.8(31位)94.298.5(30位)-0.6
35奈良県97.898.5(35位)91.598.1(33位)-0.3
35新潟県97.898.0(41位)83.898.0(35位)-0.2
37和歌山県97.798.5(35位)87.498.2(32位)-0.5
37山梨県97.798.3(38位)94.597.7(38位)±0.0
37岡山県97.798.3(38位)79.197.7(38位)±0.0
37滋賀県97.798.2(40位)83.398.6(26位)-0.9
41茨城県97.598.0(41位)95.797.5(42位)±0.0
42大分県97.498.6(33位)85.497.4(43位)±0.0
43栃木県97.397.6(44位)86.497.6(41位)-0.3
44岐阜県97.297.7(43位)83.497.1(44位)+0.1
45長野県96.997.5(45位)89.497.9(37位)-1.0
46鹿児島県96.496.9(46位)91.196.4(46位)±0.0
47群馬県96.296.7(47位)89.596.2(47位)±0.0

指数は全国平均=100。2025年の値と順位はe-Statの統計表と結果の概要の別表1、2024年は前年の結果による。順位は統計局の公表と同じく、同じ値を同順位とした[6][8][2]。

上位は首都圏と北海道・京都。東京は13年連続で1位

東京都は、構造編の調査が始まった2013年から13年連続で1位だ[1]。神奈川県、千葉県、埼玉県と首都圏の4都県が上位8位までに入る。そこに北海道(3位)、京都府(4位)、沖縄県(6位)、宮城県(7位)が加わる。

順位を見るうえで大事なのは、差の小ささだ。全国平均を1以上上回るのは東京・神奈川・北海道・京都の4都道府県だけで、11位の大阪府(99.9)から30位の静岡県(98.2)までは1.7の幅にひしめいている。小数点以下1桁の違いで順位が入れ替わるので、順位そのものより、指数がいくつかを見た方がよい。

最も高い県と低い県の差は、ここ13年ずっと1.08〜1.10倍

最も高い都道府県を最も低い都道府県で割った倍率は、2025年が1.08倍で、2024年と同じだった[1]。2013年以降の推移を見ても、倍率は1.08〜1.10倍の間で動いているだけだ。

年最も高い最も低い倍率100以上の都道府県数
2013年105.2(東京都)96.1(宮崎県)1.09倍8
2016年104.4(東京都)95.9(群馬県)1.09倍11
2020年105.2(東京都)95.9(宮崎県)1.10倍8
2023年104.5(東京都)95.9(鹿児島県)1.09倍9
2024年104.0(東京都)96.2(群馬県)1.08倍12
2025年104.2(東京都)96.2(群馬県)1.08倍10

推計年収の差は東京と青森で1.69倍あった(後述)。同じ「地域差」でも、物価の差は給料の差よりずっと小さい。

3. 家賃を除くと北海道が1位:東京は3位、埼玉は7位から15位へ

総合の順位には、家賃の差が入っている。「家賃を除く総合」で並べ直すと、上位と下位はこうなる[1][6]。

  • 上位:北海道(103.2)、神奈川県(102.7)、東京都(102.2)、沖縄県(101.3)、京都府(101.0)
  • 下位:群馬県(96.7)、鹿児島県(96.9)、長野県(97.5)、栃木県(97.6)、岐阜県(97.7)

最も高い県と低い県の差は1.07倍で、総合(1.08倍)よりさらに小さくなる。首位が東京から北海道に入れ替わるのは、東京の物価の高さのかなりの部分が家賃によるものだからだ。

家賃を除くと順位が大きく動く府県

総合と家賃を除く総合で、順位が5つ以上動いた府県は次のとおりだ。

都道府県総合の順位家賃を除く総合の順位動き
埼玉県7位15位8つ下がる
大阪府11位18位7つ下がる
新潟県35位41位6つ下がる
愛知県32位37位5つ下がる
大分県42位33位9つ上がる
佐賀県28位20位8つ上がる
熊本県13位7位6つ上がる
愛媛県20位15位5つ上がる

埼玉県は住居が104.5と全国で4番目に高く、家賃を除くと全国平均(100.0)にちょうど並ぶ。逆に大分県や佐賀県、熊本県は住居が低い一方、家賃以外の品物やサービスは総合ほど安くない。熊本県は家賃を除く総合が100.8と、全国平均を上回る。

家賃が家計に占める割合は、沖縄と東京で高い

家賃の影響の大きさは、家賃の高さだけでなく、その地域の家計で家賃がどれだけの重みを持つかでも決まる。統計局は指数の計算に使った重み(ウエイト)も公表している[7]。総合と家賃を除く総合の重みの差から、家賃が支出に占める割合を計算すると、全国では3.1%だった。

  • 高い:沖縄県6.6%、東京都5.3%、北海道4.0%、大阪府4.0%、神奈川県3.8%
  • 低い:富山県1.1%、三重県1.1%、岐阜県1.2%、新潟県1.3%、山形県1.5%

全国で3.1%という数字は、意外に小さく見えるかもしれない。重みは二人以上の世帯の家計全体(持ち家の世帯を含む)から作られており、持ち家の世帯は家賃を払わないので、その分だけ平均すると小さくなる。家賃を払っている世帯に限れば、家賃の重さはずっと大きい。家賃が安い・高い都道府県ランキングで計算したとおり、民営借家の家賃は全国平均で月6万5,496円、東京都区部では10万530円だ[11]。借家に住む人にとっては、総合よりも「住居」の指数の方が実感に近いと考えてよい。

4. 費目別に見ると、差が大きいのは住居と教育。食料や交通・通信の差は小さい

総合の指数は、10の費目(10大費目)をまとめたものだ。費目ごとに、最も高い都道府県と最も低い都道府県を並べた[1]。

費目支出に占める重み(全国)最も高い最も低い倍率(2025年)倍率(2024年)
食料31.7%沖縄県 106.6長野県 95.01.12倍1.11倍
住居7.2%東京都 129.8岡山県 79.11.64倍1.56倍
光熱・水道8.3%北海道 117.8大阪府 90.61.30倍1.37倍
家具・家事用品4.6%愛媛県 104.7茨城県 92.31.13倍1.12倍
被服及び履物3.7%北海道・石川県 107.3鹿児島県 88.71.21倍1.25倍
保健医療5.7%東京都・山口県 101.7宮崎県 97.11.05倍1.06倍
交通・通信16.9%東京都 103.5鹿児島県 97.21.06倍1.06倍
教育4.2%大阪府 124.7富山県 78.11.60倍1.59倍
教養娯楽10.8%神奈川県 107.3鹿児島県 91.91.17倍1.17倍
諸雑費6.9%神奈川県 105.6青森県 89.31.18倍1.16倍

重みは2025年の全国のウエイトから計算した[7]。支出の3割強を占める食料の差は1.12倍にとどまり、差が大きい住居と教育は、支出に占める重みが7.2%と4.2%と小さい。総合の差が1.08倍に収まるのは、この組み合わせのためだ。

住居:東京が129.8で突出。100を超えるのは6都府県だけ

住居の指数が100を超えるのは、東京都(129.8)、千葉県(111.8)、神奈川県(110.7)、埼玉県(104.5)、京都府(102.2)、宮崎県(101.3)の6都府県だけだ。最も低いのは岡山県(79.1)で、石川県(82.0)、滋賀県(83.3)が続く[1]。住居の倍率は1.56倍から1.64倍に広がり、10費目のうちで最も大きく拡大した。

住居の指数と、住宅・土地統計調査の民営借家の家賃(都道府県別)の相関係数は0.78で、両者はおおむね同じ方向を向いている[11]。ただし大きさは違う。東京都の家賃は全国平均の1.45倍、1畳あたりでは1.70倍なのに対し、住居の指数は1.30倍だ。住居の指数は家賃だけでなく、修繕や設備の費用も含み、広さあたりの家賃など、品質をそろえた値段で比べるように作られている。調査の方法も違うので、どちらか一方だけが正しいというより、「家賃の差を別の物差しで測ったもの」と考えるのがよい。

食料:沖縄が106.6で最も高く、長野が95.0で最も安い

高原の道ばたにある木造の小さな野菜の無人販売所に、とれたての野菜や果物がかごに盛られて並ぶAI生成画像

食料は支出の3割を占める。最も安い長野と最も高い沖縄の差は1.12倍だ。

食料の指数は、沖縄県(106.6)、熊本県(103.3)、東京都(102.9)の順に高い。最も低いのは長野県(95.0)で、群馬県(95.5)、青森県(97.1)が続く[1]。

食料は支出の約3割を占めるので、小さな差でも総合に効く。沖縄県では、食料が総合を2.12ポイント押し上げている(5章)。沖縄県は食料の重みも35.2%と全国で最も大きい[7]。反対に、総合で最も安い群馬県と3番目に安い長野県は、どちらも食料の安さが総合を最も大きく押し下げている。

光熱・水道:北海道と東北が高く、大阪と東京が安い

雪の積もった窓の外を背景に、居間の床に置かれた石油ストーブの上でやかんが湯気を立てているAI生成画像

光熱・水道は北海道が117.8で最も高い。寒い地域ほど、家計に占める重みも大きい。

光熱・水道(電気、ガス、灯油、上下水道などの料金)は、北海道(117.8)、岩手県(112.2)、青森県(110.3)が高い。最も低いのは大阪府(90.6)で、東京都(93.7)、滋賀県・兵庫県(95.5)が続く[1]。

東京は総合で1位なのに、光熱・水道は全国で2番目に安い。東京の総合を押し下げているのは、10費目のうち光熱・水道だけだ(寄与度−0.51)。一方、北海道や東北では、光熱・水道は値段が高いうえに、支出に占める重みも大きい。秋田県(11.6%)、青森県・山形県(11.4%)、北海道(11.2%)、岩手県(11.1%)は、全国(8.3%)より3ポイントほど高い[7]。冬の暖房などで使う量が多い地域では、値段の差が家計に響きやすいと考えられる。

光熱・水道の倍率は1.37倍から1.30倍に縮んだ。北海道は119.6から117.8へ下がり、大阪府は87.0から90.6へ上がった[2][1]。

教育:大阪が124.7、富山が78.1。差は1.60倍

教育(授業料、教科書・参考書、塾などの補習教育)は、大阪府(124.7)、京都府(118.6)、滋賀県(112.4)と近畿が上位に並ぶ。最も低いのは富山県(78.1)で、山口県(81.6)、秋田県(83.9)が続く[1]。倍率は1.60倍で、住居に次いで大きい。

教育は支出に占める重みが4.2%と小さいが、大阪府では教育が総合を1.02ポイント押し上げ、京都府でも0.74ポイント押し上げている。大阪府は住居(98.0)が全国平均を下回り、光熱・水道は全国で最も安いので、教育がなければ総合はもっと低くなる。ただし教育には、授業料のように公的な制度で決まる料金も含まれる。統計局は、学校給食のように調査した価格が無償の場合、その市町村では計算から除外していると注記している[1]。家庭ごとの負担の差をそのまま表す数字ではない点に注意したい。

差が小さい費目:保健医療と交通・通信

差が最も小さいのは保健医療(1.05倍)で、交通・通信(1.06倍)が続く[1]。診療代や薬、通信料、鉄道運賃など、全国でほぼ同じ料金体系のものが多いためと考えられる。交通・通信は東京が103.5で最も高く、鹿児島県(97.2)、沖縄県(97.7)、茨城県(97.8)が低い。

5. 何が物価を押し上げているか:東京は住居、沖縄は食料、北海道は光熱・水道

統計局は、総合が全国平均(100)からどれだけ離れているかを、費目ごとの「寄与度」に分けて公表している[1]。費目の指数の高さに、その費目の重みを掛けたものと考えると分かりやすい。

都道府県総合最も押し上げた費目最も押し下げた費目
東京都104.2住居 +2.16光熱・水道 −0.51
神奈川県103.3食料 +0.88家具・家事用品 −0.09
北海道102.4光熱・水道 +1.61住居 −0.58
京都府101.1教育 +0.74光熱・水道 −0.33
沖縄県100.4食料 +2.12諸雑費 −0.56
大阪府99.9教育 +1.02光熱・水道 −0.81
岡山県97.7食料 +0.33住居 −1.50
長野県96.9光熱・水道 +0.36食料 −1.59
鹿児島県96.4(プラスの費目なし)教養娯楽 −0.83
群馬県96.2光熱・水道 +0.24食料 −1.40

東京都の+4.2のうち、半分強の2.16ポイントは住居によるものだ。それでも、食料(+0.94)、教養娯楽(+0.64)、交通・通信(+0.53)もプラスに効いており、東京は家賃を除いても全国3位の高さにある。

47都道府県全体で見ると、最も大きくプラスに効いている費目は「光熱・水道」が21道県で最も多く、次いで食料が11県、教育が7府県だった。教育の7府県は、近畿の2府4県と三重県だ。最も大きくマイナスに効いている費目は「住居」が22道県で最も多く、住居の寄与度がマイナスの道府県は41にのぼる。地方の物価の安さの多くは住まいの安さから来ており、その一部を光熱・水道の高さが打ち消している、という構図が読み取れる。鹿児島県は、10費目のすべてが全国平均を下回る方向に寄与した唯一の県だ。

6. 前年との比較:宮崎は45位から32位へ、山形は4位から9位へ

2024年と比べると、総合の指数が上がったのは17都道府県、下がったのは20県、変わらなかったのは10府県だった[2][1]。

都道府県2024年 → 2025年順位大きく動いた費目
宮崎県97.0 → 98.0(+1.0)45位 → 32位住居 98.5 → 101.3
佐賀県97.7 → 98.5(+0.8)38位 → 28位住居 87.4 → 90.2、食料 98.3 → 99.9
大阪府99.3 → 99.9(+0.6)16位 → 11位光熱・水道 87.0 → 90.6
愛媛県98.6 → 99.2(+0.6)26位 → 20位住居 85.0 → 86.5
福岡県98.0 → 98.5(+0.5)35位 → 28位住居 90.5 → 96.4
山形県101.4 → 100.1(−1.3)4位 → 9位住居 100.1 → 93.5
長野県97.9 → 96.9(−1.0)37位 → 45位住居 90.9 → 89.4、教育 88.4 → 86.4
滋賀県98.6 → 97.7(−0.9)26位 → 37位住居 88.8 → 83.3
千葉県101.2 → 100.5(−0.7)5位 → 5位住居 114.4 → 111.8

東京都は104.0から104.2へ上がり、住居は127.2から129.8へ上がった。最も安い群馬県(96.2)と2番目の鹿児島県(96.4)は前年と同じ値だった。

前年差を読むときの2つの注意

1つ目は、この指数は「その年の全国平均=100」の相対的な位置だということだ。統計局も、指数値の変化はその地域の物価の時系列の変化を表すものではないと注記している[1]。たとえば宮崎県の+1.0は「宮崎の物価が1%上がった」という意味ではなく、「全国平均と比べた位置が1ポイント上がった」という意味だ。物価そのものは全国的に上がっており、2025年平均の消費者物価指数(全国・総合)は前年比3.2%の上昇だった[9]。

2つ目は、計算の土台が変わったことだ。2025年の結果は2025年基準の作成方法により、2024年の結果は2020年基準の作成方法によっている[4][2]。品目や重みが入れ替わっているため、1年の差には、価格の動きだけでなく計算方法の変化も混ざりうる。とくに住居や教育のように、もとの差が大きい費目は動きも大きい(住居の前年差は−6.6〜+5.9、教育は−12.0〜+8.3)。1年分の動きで「この県は物価が上がりやすい」と判断するのは早い。

7. 物価で年収と最低賃金をならす:年収の差は1.69倍から1.59倍、最低賃金の差は195円から156円

昼下がりのアーケード商店街で、店先から買い物客へ紙袋に入った果物が手渡される場面を手元だけで写したAI生成画像

同じ収入でも、買えるものの量は地域で少しずつ違う。ただし、その差は収入の差よりずっと小さい。

物価の地域差が分かると、「同じ給料で、どれだけのものが買えるか」もざっくり比べられる。ここでは、サイト内の既存データの推計年収と最低賃金を、総合の指数で割ってならした(金額÷指数×100)。

推計年収:東京は1位のまま。愛知が2位に上がる

都道府県別の平均年収ランキングで計算した推計年収(賃金構造基本統計調査2025年、フルタイムの一般労働者、月給×12+年間賞与)を使った[10]。

物価でならした順位都道府県物価でならした年収元の推計年収(順位)総合の指数
1東京都650.7万円678.0万円(1位)104.2
2愛知県582.0万円570.4万円(3位)98.0
3神奈川県573.2万円592.1万円(2位)103.3
4大阪府551.0万円550.4万円(4位)99.9
5兵庫県548.8万円545.5万円(5位)99.4
45宮崎県420.0万円411.6万円(45位)98.0
46沖縄県409.8万円411.4万円(46位)100.4
47青森県409.4万円400.8万円(47位)97.9

最も高い東京と最も低い青森の差は、1.69倍から1.59倍に縮む。家賃を除く総合でならすと1.64倍で、縮み方はさらに小さい。物価の安さで年収の差が埋まるのは、ごく一部だ。順位が大きく動くのは、物価が安い群馬県(22位→15位)や、物価が高めの北海道(30位→36位)などに限られる。

物価と年収の関係も弱い。47都道府県で、総合の指数と推計年収の相関係数は0.33、家賃を除く総合と推計年収では0.10だった。給料の高い地域ほど物価が高いという傾向は、家賃を除くとほとんど見られない。

最低賃金:物価でならすと神奈川が1位、差は156円に縮む

2026年度の最低賃金(時間額)も、同じように総合の指数でならした[12]。

物価でならした順位都道府県物価でならした最低賃金2026年度の最低賃金(順位)
1神奈川県1,238円1,279円(2位)
2大阪府1,232円1,231円(3位)
3東京都1,228円1,280円(1位)
4愛知県1,219円1,195円(5位)
5埼玉県1,194円1,196円(4位)
43山形県・長崎県1,091円1,092円(35位)・1,087円(44位)
45岩手県1,090円1,090円(39位)
46高知県1,087円1,086円(45位)
47沖縄県1,082円1,086円(45位)

最低賃金の最高と最低の差は195円だが、物価でならすと156円(神奈川1,238円と沖縄1,082円の差)に縮む。順位の動きも年収より大きい。物価が安い鹿児島県は39位から22位へ、宮崎県は47位から32位へ上がる。物価が高めの北海道は、14位から37位へ下がる。

ただし、家賃を除く総合でならすと、東京都が1,252円で1位に戻り、差は180円になる。最低賃金に近い時給で働く人のうち、どれだけが家賃を払っているかで、実感は変わる。

手取りの額で比べたい場合は、手取り計算ツールで額面から税金と社会保険料を引いた金額を出してから、同じように指数で割るとよい。税金や社会保険料は、物価の地域差とは別に決まる。

8. 使うときの注意:二人以上世帯の買い物かご、持ち家は含まない、県内の差は見えない

この指数は、地域の物価を比べる公的な物差しとして最もまとまったものだが、生活費そのものを表すわけではない。引っ越しや転勤の判断に使うなら、次の点を押さえておきたい。

  • 「値段の差」であって「使う量の差」ではない。 寒い地域で暖房を長く使う、車を何台も持つ、といった暮らし方の違いは、指数にはほとんど入らない。参考として重みを見ると、交通・通信が支出に占める割合は石川県(21.5%)、福井県(21.4%)、佐賀県(20.8%)で高く、東京都(12.7%)、神奈川県(14.5%)、京都府(15.0%)で低い[7]。値段の差が小さくても、使う量の差は大きい。
  • 重みは二人以上の世帯の家計から作られている。 一人暮らしの世帯の支出の組み立ては、重みに直接は入っていない[4]。
  • 持ち家の住居費は入らない。 総合と住居には持家の帰属家賃が含まれない[5]。住宅ローンの返済や住宅の購入価格の差も、この指数では測れない。
  • 都道府県の中の差は見えない。 都市別の指数では東京都区部が105.3、横浜市が103.8、川崎市が103.7だった[1]。同じ県でも、県庁所在地と郊外や山間部では物価の水準が違う可能性がある。
  • 同じ品質の品物の値段を比べている。 地域によって手に入りやすい品物や店の種類は違うが、指数は品質をそろえた銘柄で比べる。安い店や特売を使いこなすかどうかといった買い方の違いも入らない[1]。

9. まとめ:物価の差は1.08倍。年収や家賃の差の方がずっと大きい

  • 2025年の物価水準(総合)は、東京都の104.2が最も高く、群馬県の96.2が最も低い。 差は1.08倍で、2013年以降1.08〜1.10倍の間で動いている。東京は13年連続で1位。
  • 家賃を除くと北海道(103.2)が1位になり、東京は3位に下がる。埼玉県(7位→15位)や大阪府(11位→18位)も家賃を除くと順位が下がる。
  • 費目別の差は、住居(1.64倍)と教育(1.60倍)が大きく、食料(1.12倍)や交通・通信(1.06倍)は小さい。 東京は住居、沖縄は食料、北海道は光熱・水道、大阪は教育が総合を押し上げている。
  • 前年と比べると、宮崎県が45位から32位へ、山形県が4位から9位へ動いた。ただし指数は全国平均に対する相対的な位置で、2025年から作成方法の基準も変わっている。
  • 物価でならすと、推計年収の差は1.69倍から1.59倍に、最低賃金の差は195円から156円に縮む。 縮みはするが、給料の差の方がずっと大きい。

地方へ移ると生活費がどれだけ下がるかを考えるとき、この指数で見る限り、品物やサービスの値段の差は数%にとどまり、大きく違うのは住まいの値段だ。移り住む先を比べるなら、物価の指数だけでなく、家賃、車や暖房にかかる量、そして給料を並べて見たい。

この記事は情報提供を目的としたもので、特定の地域への転居や就職をすすめるものではありません。物価の指数・順位・寄与度・倍率は総務省統計局の公表資料(2025年結果、2026年9月18日公表)によります。家賃が支出に占める割合、物価でならした年収・最低賃金、相関係数は、公表された統計から記事独自に計算した試算で、税金や社会保険料、個々の世帯の暮らし方の違いは含みません。計算に使ったデータとスクリプトは、サイトのリポジトリ(docs/data/price-index-by-prefecture.json、price_index.py)に置いています。

参考文献・出典

  1. [1]総務省統計局「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2025年(令和7年)結果-」(2026年9月18日公表)。総合の推移(表1)、10大費目別最大都道府県間倍率(表2)、10大費目別指数(別表1)、都市別指数(別表2)、寄与度(別表3)、調査の概要。総務省統計局(PDF) ↩
  2. [2]総務省統計局「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果-」(2025年6月27日公表)。総務省統計局(PDF) ↩
  3. [3]総務省統計局「小売物価統計調査(構造編) 調査結果」(最新の結果と過去の結果の一覧)。総務省統計局 ↩
  4. [4]総務省統計局「消費者物価地域差指数の作成方法(2025年基準)」(対象588品目、フィッシャー類似算式、家計調査によるウエイトの作成)。総務省統計局(PDF) ↩
  5. [5]総務省統計局「小売物価統計調査(構造編) 用語の解説」(総合、家賃を除く総合、持家の帰属家賃、10大費目)。総務省統計局(PDF) ↩
  6. [6]総務省「小売物価統計調査(構造編)」2025年 10大費目別消費者物価地域差指数(全国平均=100)-全国,地方,都道府県,都道府県庁所在市及び政令指定都市(2026年9月18日公開)。e-Stat(Excel) ↩
  7. [7]総務省「小売物価統計調査(構造編)」2025年(参考表)10大費目別ウエイト(2026年9月18日公開)。家賃が支出に占める割合は「総合」と「家賃を除く総合」のウエイトの差から、費目の重みは各費目のウエイトを総合のウエイトで割って記事で計算した。e-Stat(Excel) ↩
  8. [8]総務省「小売物価統計調査(構造編)」2024年 10大費目別消費者物価地域差指数(全国平均=100)(2025年6月27日公開)。e-Stat(Excel) ↩
  9. [9]総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)平均」(2026年1月23日公表)。総務省統計局 ↩
  10. [10]厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」都道府県別 参考表1(47都道府県一覧)(2026年3月24日公表)。推計年収の計算は都道府県別の平均年収ランキング【2026年版】と同じ。e-Stat ↩
  11. [11]総務省「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計 第112-2表(民営借家の1か月当たり家賃)。都道府県別の値は家賃が安い・高い都道府県ランキング【2026年版】と同じ。e-Stat ↩
  12. [12]厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」。都道府県別の額は最低賃金が高い・低い都道府県ランキング【2026年度】と同じ。厚生労働省(PDF) ↩

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