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引っ越しや転勤、地方への移住を考えるとき、最初に気になる出費の一つが家賃だ。ただ、不動産サイトの「相場」は、その時点で募集中の部屋だけを集めたもので、地域ごとに条件をそろえて比べるのは難しい。
この記事では、総務省が5年ごとに行う「住宅・土地統計調査」の最新結果(2023年10月1日時点、2024年9月公表)から、47都道府県の民営借家の1か月当たり家賃と1畳当たり家賃を並べた[2][3]。実際に人が住んでいる賃貸住宅の家賃で、何十年も前に入居した世帯も含むため、最近入居した世帯の家賃より低めに出る(6章で詳しく見る)。2018年の前回調査からの変化、東京23区の区ごとの差、2026年8月の「小売物価統計調査」、そして都道府県別の平均年収と比べた家賃の重さも計算した。
1. 結論:1位は東京の94,802円、最下位は宮崎の46,290円。広さをそろえると差は2.8倍に開く
- 民営借家の1か月当たり家賃は、東京都が94,802円で1位。 2位は神奈川県(76,356円)、3位は埼玉県(65,848円)。
- 最下位は宮崎県の46,290円。 46位は青森県(46,340円)、45位は鹿児島県(46,916円)。
- 東京と宮崎の差は48,512円で、約2.05倍。
- 全国は65,496円。 これを上回るのは東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏4都県だけだった。
- 1畳当たり家賃では、東京都の6,450円に対し、最も安い青森県は2,286円で、差は約2.82倍。 東京の賃貸は部屋が狭いので、広さをそろえると差はさらに開く。
- 2018年の前回調査と比べると、45都道府県で家賃が上がった。 全国は61,963円から65,496円へ5.7%上がり、1畳当たり家賃は47都道府県すべてで上がった[7][8]。
この記事で使う「家賃」の定義
住宅・土地統計調査の「家賃」は、調査の直前に支払った1か月分の家賃だ。共益費・管理費、敷金・礼金は含まない[5]。
- 対象は、民営借家(専用住宅)。公営住宅、UR・公社の住宅、社宅などの給与住宅は除いた。店舗などと一緒になった住宅も入っていない。
- 平均は「家賃0円を含まない」値を使った。民営借家にも、親族の持ち物を無償で借りているなどの理由で家賃0円の住宅が全国に約16万戸あり、これを含めると平均が下がるためだ。0円を含めた全国の平均は64,819円で、差は700円ほどになる。
- 「1畳当たり家賃」は、家賃を居室の畳数で割ったもの。洋室は3.3㎡を2畳として数える。台所や浴室、トイレ、玄関などは畳数に入らない(台所は一定の広さがある食事室兼用のものだけ入る)[5]。
総務省の公表資料では、公営住宅や社宅も含めた借家全体の家賃を「59,656円、2018年から7.1%増」と紹介している[1]。この記事の数字は民営借家だけなので、こちらより高めになる。
2. 47都道府県ランキング:全国平均を超えるのは首都圏だけ。15位以下は7,600円の幅に収まる
| 順位 | 都道府県 | 1か月の家賃 | 1畳当たり家賃(順位) | 居室の広さ | 2018年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 94,802円 | 6,450円(1位) | 14.9畳 | +7.0% |
| 2 | 神奈川県 | 76,356円 | 4,628円(2位) | 16.5畳 | +3.8% |
| 3 | 埼玉県 | 65,848円 | 3,798円(6位) | 17.3畳 | +3.7% |
| 4 | 千葉県 | 65,813円 | 3,847円(5位) | 17.1畳 | +5.8% |
| 5 | 兵庫県 | 65,097円 | 3,563円(7位) | 18.2畳 | +2.5% |
| 6 | 大阪府 | 64,263円 | 3,991円(4位) | 16.1畳 | +4.9% |
| 7 | 京都府 | 62,210円 | 4,115円(3位) | 15.1畳 | +4.1% |
| 8 | 愛知県 | 60,601円 | 3,388円(9位) | 17.9畳 | +4.4% |
| 9 | 奈良県 | 57,664円 | 2,758円(23位) | 20.7畳 | +6.7% |
| 10 | 宮城県 | 56,735円 | 3,399円(8位) | 16.6畳 | +2.9% |
| 11 | 静岡県 | 56,442円 | 2,982円(13位) | 18.8畳 | +1.6% |
| 12 | 広島県 | 56,278円 | 3,114円(12位) | 18.0畳 | +5.1% |
| 13 | 福岡県 | 56,214円 | 3,151円(10位) | 17.8畳 | +4.0% |
| 14 | 滋賀県 | 55,785円 | 3,122円(11位) | 17.8畳 | +3.2% |
| 15 | 沖縄県 | 53,913円 | 2,867円(17位) | 18.8畳 | +7.5% |
| 16 | 岡山県 | 52,659円 | 2,919円(14位) | 17.9畳 | +3.1% |
| 17 | 茨城県 | 52,598円 | 2,843円(18位) | 18.3畳 | +4.4% |
| 18 | 長野県 | 52,170円 | 2,756円(24位) | 18.8畳 | +4.4% |
| 19 | 三重県 | 52,157円 | 2,763円(22位) | 18.8畳 | +3.4% |
| 20 | 山梨県 | 51,790円 | 2,791円(20位) | 18.3畳 | +4.2% |
| 21 | 福井県 | 51,753円 | 2,782円(21位) | 18.4畳 | +4.9% |
| 22 | 佐賀県 | 51,556円 | 2,566円(38位) | 19.9畳 | +4.9% |
| 23 | 新潟県 | 51,200円 | 2,887円(15位) | 17.5畳 | +1.9% |
| 24 | 北海道 | 51,199円 | 2,583円(35位) | 19.7畳 | +5.0% |
| 25 | 栃木県 | 51,179円 | 2,749円(26位) | 18.4畳 | +4.0% |
| 26 | 福島県 | 51,136円 | 2,806円(19位) | 18.1畳 | +3.1% |
| 27 | 長崎県 | 50,973円 | 2,673円(31位) | 18.7畳 | +5.3% |
| 28 | 熊本県 | 50,853円 | 2,655円(32位) | 18.9畳 | +3.8% |
| 29 | 富山県 | 50,620円 | 2,755円(25位) | 18.2畳 | +4.0% |
| 30 | 岐阜県 | 50,265円 | 2,551円(41位) | 19.6畳 | +3.5% |
| 31 | 島根県 | 50,024円 | 2,713円(27位) | 18.2畳 | +4.5% |
| 32 | 石川県 | 50,009円 | 2,867円(16位) | 17.4畳 | +0.7% |
| 33 | 香川県 | 49,871円 | 2,596円(34位) | 19.1畳 | −0.1% |
| 34 | 山形県 | 49,805円 | 2,703円(28位) | 18.3畳 | +3.8% |
| 35 | 群馬県 | 49,447円 | 2,685円(30位) | 18.2畳 | +2.5% |
| 36 | 徳島県 | 49,397円 | 2,573円(36位) | 19.0畳 | +2.4% |
| 37 | 岩手県 | 49,350円 | 2,686円(29位) | 18.1畳 | +2.8% |
| 38 | 鳥取県 | 48,745円 | 2,552円(39位) | 18.7畳 | +4.7% |
| 39 | 和歌山県 | 48,709円 | 2,493円(44位) | 19.2畳 | −0.5% |
| 40 | 山口県 | 48,482円 | 2,572円(37位) | 18.7畳 | +3.8% |
| 41 | 愛媛県 | 47,942円 | 2,479円(46位) | 19.2畳 | +3.6% |
| 42 | 高知県 | 47,624円 | 2,552円(40位) | 18.6畳 | +2.7% |
| 43 | 秋田県 | 47,534円 | 2,540円(42位) | 18.6畳 | +4.0% |
| 44 | 大分県 | 47,163円 | 2,634円(33位) | 17.7畳 | +0.3% |
| 45 | 鹿児島県 | 46,916円 | 2,510円(43位) | 18.3畳 | +3.1% |
| 46 | 青森県 | 46,340円 | 2,286円(47位) | 20.0畳 | +4.5% |
| 47 | 宮崎県 | 46,290円 | 2,482円(45位) | 18.5畳 | +3.3% |
家賃と1畳当たり家賃は民営借家(専用住宅)の平均。居室の広さは「1住宅当たり居住室の畳数」[4]。2018年比は、前回調査の同じ表から同じ定義(0円を含まない)で計算した。
上位:首都圏の4都県、関西の3府県、愛知
全国平均を上回るのは、東京・神奈川・埼玉・千葉の4都県だけだった。ただし、3位の埼玉県(65,848円)と4位の千葉県(65,813円)は、全国(65,496円)をわずかに上回る程度だ。5位の兵庫県(65,097円)、6位の大阪府(64,263円)、7位の京都府(62,210円)は、全国とほぼ同じ水準にある。8位は愛知県(60,601円)で、9位の奈良県(57,664円)、10位の宮城県(56,735円)が続く。
下位:九州・東北・四国。下位の県どうしの差は小さい
最下位の宮崎県(46,290円)、46位の青森県(46,340円)は、ほとんど同じ金額だ。41〜45位も愛媛・高知・秋田・大分・鹿児島と、九州・東北・四国の県が並ぶ。
このランキングで目立つのは、中位から下の県の差の小ささだ。15位の沖縄県(53,913円)から47位の宮崎県まで、33の県が7,623円の幅に収まる。ちょうど真ん中の24位は北海道の51,199円。1位の東京と2位の神奈川の差(18,446円)のほうが、15位と47位の差より大きい。家賃の地域差は「全国でなだらかに広がっている」というより、首都圏、とくに東京だけが大きく離れている形だと言える。
3. 広さで割ると差は広がる:東京の賃貸は居室14.9畳で全国一狭い
同じ家賃でも、どれだけの広さが借りられるかは地域で大きく違う。
1か月の家賃は「部屋の広さ」の違いを含んだ金額だ。そこで、1畳当たりの家賃で比べ直すと、差はさらに大きくなる。
| 比べる項目 | 東京都 | 青森県 | 宮崎県 | 全国 |
|---|---|---|---|---|
| 1か月の家賃 | 94,802円 | 46,340円 | 46,290円 | 65,496円 |
| 1畳当たり家賃 | 6,450円 | 2,286円 | 2,482円 | 3,795円 |
| 居室の広さ | 14.9畳 | 20.0畳 | 18.5畳 | 17.2畳 |
東京都の民営借家の居室は平均14.9畳で、47都道府県で最も狭い。青森県(20.0畳)より5畳ほど狭いのに、家賃は2倍だ。1畳当たり家賃は、東京都が青森県の約2.82倍になる。
居室が狭い順に並べると、東京都(14.9畳)、京都府(15.1畳)、大阪府(16.1畳)、神奈川県(16.5畳)、宮城県(16.6畳)。大都市の賃貸ほど、ワンルームのような単身向けの部屋が多いことがうかがえる。反対に広いのは、奈良県(20.7畳)、青森県(20.0畳)、佐賀県(19.9畳)、北海道(19.7畳)、岐阜県(19.6畳)だった。
1畳当たりで見ると順位が大きく動く県
広さで割ると、順位が大きく入れ替わる県がある。
- 京都府は1か月の家賃では7位だが、1畳当たりでは3位(4,115円)。部屋が狭いため、広さ当たりでは神奈川県に次ぐ高さになる。
- 奈良県は1か月の家賃では9位だが、1畳当たりでは23位(2,758円)。居室が平均20.7畳と全国で最も広く、広い部屋に住む分だけ家賃が高く出ている。
- 佐賀県(22位→38位)、北海道(24位→35位)、岐阜県(30位→41位)も、広い部屋が多い分、1畳当たりでは安い側に下がる。
- 逆に石川県(32位→16位)、新潟県(23位→15位)、大分県(44位→33位)は、部屋が比較的狭く、1畳当たりでは上がる。
「家賃が安い県」を探すときは、1か月の金額だけでなく、同じ広さでいくらかを見たほうが実態に近い。
木造か鉄筋か:同じ県の中でも1畳当たり1,000円以上違う
全国の民営借家の1畳当たり家賃は、木造が2,916円、木造以外(鉄筋コンクリート造など)が4,151円だ[1]。東京都では木造5,278円、木造以外6,687円、青森県では木造2,155円、木造以外2,745円だった[3]。建物の構造による差も小さくないので、県の平均と自分が探す物件を比べるときは、構造もそろえて見る必要がある。
4. 東京23区とそれ以外:区部は10万530円、港区は21万円。23区の外は神奈川並み
東京の家賃の高さは、23区の中心部に強く集まっている。
東京都の民営借家の約8割(79%)は23区(特別区部)にある。区部の民営借家の1か月当たり家賃は100,530円で、2018年の93,938円から7.0%上がり、10万円を超えた。1畳当たりでは6,947円、居室の広さは14.7畳だ[2][3]。共益費・管理費を払っている住宅では、その平均(6,691円)が家賃とは別にかかる。
区ごとの差は2.9倍
同じ表から23区を区ごとに並べると、上下の差は都道府県の差より大きい。
| 区分 | 区 | 1か月の家賃 |
|---|---|---|
| 高い順1位 | 港区 | 214,161円 |
| 2位 | 千代田区 | 158,291円 |
| 3位 | 中央区 | 151,875円 |
| 4位 | 渋谷区 | 134,786円 |
| 5位 | 目黒区 | 131,301円 |
| 19位 | 練馬区 | 87,153円 |
| 20位 | 江戸川区 | 80,772円 |
| 21位 | 板橋区 | 78,286円 |
| 22位 | 足立区 | 75,499円 |
| 23位 | 葛飾区 | 73,854円 |
港区は葛飾区の約2.9倍。23区のうち21区は、2位の神奈川県の平均(76,356円)を上回る。最も安い葛飾区でも、東京都と神奈川県を除く45道府県のどこよりも高い。なお、千代田区は民営借家が約1.8万戸と少なく、標本調査なので、区ごとの値は県の値より誤差が大きい点に注意したい。
23区の外は約7.4万円(試算)
東京都の平均(94,802円)は、区部の高さにかなり引っぱられている。そこで、都と区部の戸数と平均家賃から、区部以外(多摩地域と島しょ部)の平均を逆算した。結果は約73,600円で、神奈川県(76,356円)を少し下回る水準だ。
この逆算は、47都道府県の値から同じ方法で全国平均を計算すると65,495円となり、公表値(65,496円)とほぼ一致することを確かめたうえで行った。ただし公表値そのものではなく、記事独自の試算だ。
多摩地域の市を表から直接見ると、武蔵野市95,263円、立川市78,607円、府中市77,982円、町田市71,111円、八王子市61,767円[2]。武蔵野市は23区のうち11区より高く、八王子市は全国平均を下回る。「東京」とひとまとめにせず、区や市の単位で見たほうがいい。
5. 2018年からの変化と、2026年の最新の動き:部屋は狭く、1畳当たりは全県で上昇
5年で全国5.7%上昇。上がり幅が大きいのは沖縄・東京・奈良
2018年から2023年にかけて、民営借家の1か月当たり家賃は全国で61,963円から65,496円へ、3,533円(5.7%)上がった[7]。上がったのは45都道府県で、下がったのは香川県(−0.1%)と和歌山県(−0.5%)の2県だけだった。
上がり幅が大きいのは、沖縄県(+7.5%)、東京都(+7.0%)、奈良県(+6.7%)、千葉県(+5.8%)、長崎県(+5.3%)。小さいのは、大分県(+0.3%)、石川県(+0.7%)、静岡県(+1.6%)、新潟県(+1.9%)だった。
1か月の家賃より、1畳当たりの家賃のほうが大きく上がった
注目したいのは、1畳当たり家賃の伸びだ。全国は3,452円から3,795円へ9.9%上がり、1か月の家賃の伸び(5.7%)を大きく上回った[8]。1畳当たり家賃は47都道府県すべてで上がり、伸びが大きいのは沖縄県(+12.3%)、千葉県(+11.2%)、京都府(+11.0%)、東京都(+10.5%)、岩手県(+10.4%)だった。
その一因は、部屋が狭くなったことだ。民営借家の居室の広さは、全国で17.6畳から17.2畳に減り、47都道府県のうち40で狭くなった[9]。1か月の家賃の上がり方が緩やかに見えても、同じ広さで比べると、家賃はより大きく上がっている。
2026年8月の小売物価統計調査:県庁所在市の家賃
住宅・土地統計調査は5年に一度なので、次の結果は2028年の調査を待つことになる。最近の動きは、総務省の「小売物価統計調査」で見られる。この調査は、都道府県庁所在市などで毎月、民営家賃を調べていて、1か月・3.3㎡(約2畳)当たりの金額で公表している[10]。
2026年8月の値は、東京都区部が10,048円で最も高く、横浜市6,893円、大阪市6,357円、さいたま市6,023円、京都市6,019円が続いた。最も安いのは佐賀市の3,423円で、和歌山市3,513円、山口市3,655円、宮崎市3,678円、松山市3,689円の順だった。区部と佐賀市の差は約2.94倍だ。
2025年8月と比べると[11]、47の県庁所在市のうち26市で上がり、21市で下がった。上がり幅が大きいのは東京都区部(+3.0%)、千葉市(+2.4%)、さいたま市・岐阜市・徳島市(いずれも+2.3%)。下がり幅が大きいのは那覇市(−2.4%)、仙台市(−1.3%)、前橋市(−1.0%)だった。
最新の2026年9月は、東京都区部だけが先に公表されていて、10,074円だった[12]。2025年9月以降の13か月の中で1万円を超えたのは、2026年8月と9月だけだ。ただし前年同月(2025年9月、9,987円)と比べると+0.9%で、8月どうしの比較(+3.0%)より小さい。
この調査の家賃は、調査地区を3つの群に分け、3か月ごとに順番に調べている。調べなかった月の地区は、前月か前々月の値を使う[13]。そのため、1か月だけの増減は群の入れ替わりで大きく動くことがある。また統計局は、都市別の価格は調べる銘柄が都市で異なることもあり、そのまま地域の格差を示すものではないと注意している。県庁所在市の値なので、県全体を表す住宅・土地統計調査とは順位も違う(たとえば長崎市は11位だが、長崎県は27位)。
6. 年収と比べた家賃の重さ:東京は年収の16.8%、2位は沖縄。安い県ほど楽とは限らない
家賃の高い・安いは、その地域の年収と並べて見ると印象が変わる。
家賃が安い県は、年収も低い傾向がある。そこで、都道府県別の平均年収ランキングで計算した推計年収(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2025年、月給×12+年間賞与)[14]と、民営借家の家賃を比べた。
年収に対する家賃の割合 = 1か月の家賃 × 12 ÷ 推計年収
| 区分 | 都道府県 | 1か月の家賃 | 推計年収 | 年収に対する家賃 |
|---|---|---|---|---|
| 最も重い | 東京都 | 94,802円 | 678.0万円 | 16.8% |
| 2番目 | 沖縄県 | 53,913円 | 411.4万円 | 15.7% |
| 3番目 | 神奈川県 | 76,356円 | 592.1万円 | 15.5% |
| 4番目 | 埼玉県 | 65,848円 | 513.6万円 | 15.4% |
| 5番目 | 千葉県 | 65,813円 | 534.9万円 | 14.8% |
| 全国 | 全国 | 65,496円 | 545.6万円 | 14.4% |
| 5番目に軽い | 群馬県 | 49,447円 | 494.5万円 | 12.0% |
| 4番目に軽い | 香川県 | 49,871円 | 498.2万円 | 12.0% |
| 3番目に軽い | 栃木県 | 51,179円 | 517.4万円 | 11.9% |
| 2番目に軽い | 茨城県 | 52,598円 | 533.4万円 | 11.8% |
| 最も軽い | 山口県 | 48,482円 | 498.2万円 | 11.7% |
東京は年収も高いが、家賃の差はそれ以上
47都道府県で見ると、家賃と推計年収はかなり強く連動している(相関係数は0.84)。それでも、東京が最も重い。最も高い県と低い県の差は、家賃が約2.05倍(東京÷宮崎)なのに対し、推計年収は約1.69倍(東京÷青森)にとどまるからだ。東京23区の家賃(100,530円)で計算すると、東京都の推計年収に対して17.8%になる。
沖縄は家賃15位、年収46位
2番目に重いのが沖縄県だ。家賃は15位と中ほどだが、推計年収が46位と低いため、割合が大きくなる。山形県(7位、14.1%)も、家賃は34位だが年収が44位で、割合では大阪府や京都府(いずれも14.0%)を上回る。家賃が安い県でも、年収との比で見ると負担が軽いとは限らない。
反対に、割合が軽いのは山口・茨城・栃木・群馬・香川。家賃は中位から下位だが、推計年収は茨城9位、栃木10位、山口19位、香川20位、群馬22位と中位から上にあり、割合が小さくなっている。
この割合を読むときの注意
- 年収は「働く場所」、家賃は「住む場所」の値だ。 賃金構造基本統計調査は事業所の所在地で集計されている。東京で働き、埼玉・千葉・神奈川に住む人の年収は東京都の側に入るので、周辺3県の割合は実際より重く出ている可能性がある。
- 年収は1人分、家賃は1世帯分だ。 推計年収は、フルタイムで働く一般労働者1人の平均。共働き世帯なら、世帯収入に対する割合はずっと小さくなる。
- 家賃は「今住んでいる人」の平均だ。 公営住宅や社宅も含む借家全体(全国)で見ると、2021年〜2023年9月に入居した世帯の平均家賃は62,597円で、2001〜2010年に入居した世帯(55,098円)より7,000円以上高い[6]。これから借りる部屋は、この記事の平均より高くなりやすい。
- 年収は額面だ。 税金と社会保険料を引いた手取りに対しては、割合はもっと大きくなる。
自分の場合を確かめるなら、まず手取り計算機で年収から手取りを出し、そこに対する家賃の割合を見るのが実感に近い。たとえば全国平均の家賃65,496円は年78.6万円で、推計年収545.6万円の14.4%だが、手取りに対してはこれより大きな割合になる。
引っ越しや移住を考えるときは
家賃の安い県へ移れば、家賃そのものは下がる。ただし、この記事で見たとおり、年収との比で見ると負担が軽くなるとは限らない。車の購入・維持費、通勤の距離など、家賃以外の出費も地域で変わる。比べるときは、家賃・広さ・建物の構造をそろえたうえで、手取りに対する割合と、ほかの生活費まで含めて考えたい。
この記事は情報提供を目的としたもので、特定の地域への転居をすすめるものではありません。家賃は住宅・土地統計調査(2023年)と小売物価統計調査(2026年8月・9月)の公表値、年収に対する割合と23区以外の平均は、公表された統計から記事独自に計算した試算です。数値は2026年10月時点で公表されている統計によります。
参考文献・出典
- [1]総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果の概要」(2024年9月25日公表)、7 借家の家賃。総務省統計局 ↩
- [2]総務省「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計 第112-2表「住宅の所有の関係(4区分)別住宅の1か月当たり家賃(10区分)別借家(専用住宅)数、住宅の1か月当たり家賃及び1か月当たり共益費・管理費-全国、都道府県、市区」。e-Stat ↩
- [3]総務省「令和5年住宅・土地統計調査」第107-2表「住宅の種類(2区分)、住宅の所有の関係(5区分)、建築の時期(10区分)別借家の1畳当たり家賃-全国、都道府県、21大都市」。e-Stat ↩
- [4]総務省「令和5年住宅・土地統計調査」第110表「住宅の所有の関係(5区分)、住宅の1か月当たり家賃(19区分)別居住室の畳数(6区分)別借家(専用住宅)数及び1住宅当たり居住室の畳数-全国、都道府県、21大都市」。e-Stat ↩
- [5]総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説」(住宅の所有の関係、住宅の家賃、居住室の畳数)。総務省統計局 ↩
- [6]総務省「令和5年住宅・土地統計調査」第114表「主世帯の家計を主に支える者の入居時期(7区分)別住宅の1か月当たり家賃(10区分)別借家(専用住宅)数及び1か月当たり家賃-全国、都道府県、市区」。e-Stat ↩
- [7]総務省「平成30年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計 第113-2表「住宅の所有の関係(4区分)別1か月当たり家賃・間代(10区分)別借家(専用住宅)数、1か月当たり家賃・間代及び1か月当たり共益費・管理費-全国、都道府県、市区」。e-Stat ↩
- [8]総務省「平成30年住宅・土地統計調査」第108-2表「住宅の種類(2区分)、住宅の所有の関係(5区分)、建築の時期(10区分)別借家の1畳当たり家賃-全国、都道府県、21大都市」。e-Stat ↩
- [9]総務省「平成30年住宅・土地統計調査」第111表「住宅の所有の関係(5区分)、1か月当たり家賃・間代(19区分)別居住室の畳数(6区分)別借家(専用住宅)数及び1住宅当たり居住室の畳数-全国、都道府県、21大都市」。e-Stat ↩
- [10]総務省「小売物価統計調査(動向編)」第1表「主要品目の都市別小売価格-都道府県庁所在市及び人口15万以上の市」2026年8月「3001 民営家賃」~「4515 浄化槽清掃代」(2026年9月18日公表)。e-Stat ↩
- [11]総務省「小売物価統計調査(動向編)」第1表 2025年8月「3001 民営家賃」~「4515 浄化槽清掃代」(2025年9月19日公表)。e-Stat ↩
- [12]総務省「小売物価統計調査(動向編)」第2表「主要品目の東京都区部小売価格【2025年9月~2026年9月】」「3001 民営家賃」~「4515 浄化槽清掃代」(2026年10月2日公表)。e-Stat ↩
- [13]総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)統計表利用上の注意」(平均価格、民営家賃の算出方法と家賃調査の群)。総務省統計局 ↩
- [14]厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」都道府県別 参考表1(47都道府県一覧)(2026年3月24日公表)。推計年収の計算は都道府県別の平均年収ランキング【2026年版】と同じ。e-Stat ↩

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