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「年収500万円だと、実際にいくら残るの?」——求人票や昇給の話で必ず出てくる疑問だ。会社員の給与からは、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)と、税金(所得税・住民税)が引かれる。
この記事では、2026年度の保険料率と、2026年分から新しくなった所得税の控除を使って、年収200万〜2,000万円の手取りを計算した。数字は、ぽちょ研究所の手取り計算と同じ計算で出している。自分の条件(40歳以上、配偶者や扶養家族)で確かめたい人は、そちらで年収を入れてみてほしい。
1. 結論:年収500万円なら手取り約393万円
- 年収500万円(単身・40歳未満)の手取りは約393万円、12で割ると月32.8万円。手取りは年収の約79%。
- 年収が上がるほど手取りの割合は下がる。300万円で約81%、1,000万円で約73%、2,000万円で約65%。
- 2026年分は所得税が少し安くなる。 基礎控除などが引き上げられ、年収500万円で約2.8万円、600万円で約3.7万円、所得税が下がる計算だ(毎月の給与からはしばらく改正前の額が引かれ、差は年末調整で戻る)[1]。
2. 年収別の手取り早見表(単身・40歳未満)
賞与なし(12カ月で均等に支給)、扶養なしの会社員の場合。社会保険料は協会けんぽの全国平均の料率で計算した。
| 年収 | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り(年) | 手取り(月) | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 29.4万円 | 0円 | 5.6万円 | 165.0万円 | 13.7万円 | 82.5% |
| 300万円 | 44.1万円 | 2.7万円 | 11.7万円 | 241.4万円 | 20.1万円 | 80.5% |
| 400万円 | 58.9万円 | 5.8万円 | 17.7万円 | 317.7万円 | 26.5万円 | 79.4% |
| 500万円 | 73.6万円 | 9.1万円 | 24.2万円 | 393.1万円 | 32.8万円 | 78.6% |
| 600万円 | 88.3万円 | 14.9万円 | 30.7万円 | 466.1万円 | 38.8万円 | 77.7% |
| 700万円 | 103.0万円 | 27.8万円 | 37.6万円 | 531.6万円 | 44.3万円 | 75.9% |
| 800万円 | 115.9万円 | 43.6万円 | 45.4万円 | 595.2万円 | 49.6万円 | 74.4% |
| 900万円 | 121.5万円 | 62.8万円 | 54.3万円 | 661.4万円 | 55.1万円 | 73.5% |
| 1,000万円 | 127.0万円 | 82.1万円 | 63.7万円 | 727.1万円 | 60.6万円 | 72.7% |
| 1,200万円 | 138.2万円 | 124.0万円 | 82.6万円 | 855.2万円 | 71.3万円 | 71.3% |
| 1,400万円 | 149.3万円 | 178.0万円 | 101.5万円 | 971.2万円 | 80.9万円 | 69.4% |
| 1,600万円 | 160.4万円 | 241.6万円 | 120.4万円 | 1,077.6万円 | 89.8万円 | 67.4% |
| 1,800万円 | 164.9万円 | 307.5万円 | 140.0万円 | 1,187.7万円 | 99.0万円 | 66.0% |
| 2,000万円 | 165.9万円 | 374.5万円 | 159.9万円 | 1,299.7万円 | 108.3万円 | 65.0% |
年収が上がっても社会保険料が伸びにくくなるのは、厚生年金の保険料に上限があるためだ(月給65万円を超えても、65万円として計算される)。代わりに所得税が大きく増えていく。
3. 何が、いくら引かれているのか
引かれるお金は、大きく「社会保険料」「所得税」「住民税」の3つ。
会社員の給与から引かれるものと、2026年度の料率(本人負担分)は次のとおり。
| 項目 | 本人の負担 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 4.95% | 協会けんぽの全国平均9.9%の半分。都道府県や健康保険組合で違う[3] |
| 介護保険 | 0.81% | 40〜64歳だけ。1.62%の半分[3] |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% | 2026年4月分から新しく加わった。0.23%の半分[3] |
| 厚生年金 | 9.15% | 18.3%の半分で固定。月給65万円で頭打ち[4] |
| 雇用保険 | 0.5% | 一般の事業。2026年度は前年度より0.05ポイント低い[5] |
| 所得税 | 5〜45% | 課税所得に応じた累進税率。2037年までは2.1%の復興特別所得税が上乗せ[2] |
| 住民税 | 約10%+5,000円 | 所得割10%と均等割(森林環境税を含む) |
ポイントは、社会保険料だけで年収の15%ほどになること。年収500万円なら約74万円で、所得税と住民税を合わせた額(約33万円)の2倍以上だ。「税金が高い」と感じるとき、実は社会保険料のほうが大きいことが多い。
4. 2026年の改正で、所得税はいくら下がる?
2026年度の税制改正で、2026年分(令和8年分)の所得税の基礎控除と、給与所得控除の最低額が引き上げられた。国税庁の案内によると、基礎控除は合計所得金額489万円以下なら104万円、655万円以下なら67万円、2,350万円以下なら62万円になった(改正前は58万〜95万円)。給与所得控除の最低額は65万円から74万円になった[1]。
改正前(2025年分の控除)と比べた所得税の差は次のとおり(単身・40歳未満)。
| 年収 | 改正前の控除で計算 | 2026年分の控除で計算 | 下がる額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 35,600円 | 27,400円 | 8,200円 |
| 400万円 | 65,900円 | 57,700円 | 8,200円 |
| 500万円 | 119,300円 | 91,000円 | 28,300円 |
| 600万円 | 186,000円 | 149,200円 | 36,800円 |
| 700万円 | 286,100円 | 278,000円 | 8,100円 |
| 800万円 | 443,800円 | 435,600円 | 8,200円 |
| 1,000万円 | 829,300円 | 821,100円 | 8,200円 |
年収500万〜600万円あたりで下がり幅が大きいのは、この層の基礎控除の上がり方(68万→104万円など)が大きいためだ。
注意したいのは、毎月の給与から引かれる所得税(源泉徴収)は、2026年中は改正前の水準のままだということ。国税庁は、2026年分の差は年末調整で精算するとしている[1]。12月の給与で戻ってくる人が多いはずだ。
5. 40歳から、そして家族がいると
40歳になると介護保険料が加わり、手取りは少し減る。一方、配偶者控除や扶養控除があると税金は下がる(社会保険料は変わらない)。
| 年収 | 単身・40歳未満 | 単身・40〜64歳 | 40〜64歳・配偶者控除+扶養1人 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 393.1万円 | 389.7万円 | 400.2万円 |
| 700万円 | 531.6万円 | 527.6万円 | 543.4万円 |
| 1,000万円 | 727.1万円 | 721.5万円 | 743.6万円 |
扶養1人は16歳以上の一般の扶養親族として計算した(16歳未満の子は扶養控除の対象外)。配偶者控除は、配偶者の所得が一定以下の場合だけ使える。
6. 昇給しても手取りが増えにくい理由
額面の昇給と、手元に増える額は同じではない。
年収が100万円上がったとき、手取りがいくら増えるかを計算した(単身・40歳未満)。
| 年収 | +100万円になったときの手取りの増え方 |
|---|---|
| 300万円 → 400万円 | +76.3万円 |
| 500万円 → 600万円 | +72.9万円 |
| 700万円 → 800万円 | +63.6万円 |
| 900万円 → 1,000万円 | +65.7万円 |
| 1,200万円 → 1,300万円 | +62.8万円 |
| 1,500万円 → 1,600万円 | +53.2万円 |
年収が上がるにつれて、100万円の昇給で手元に残る額は76万円から53万円へと減っていく。所得税が累進課税(所得が多いほど高い税率)だからだ。一方で、厚生年金の保険料が頭打ちになる年収(約780万円)を超えると社会保険料の伸びが止まるため、900万円台では一時的に増え方が大きくなる。
7. 早見表を見るときの注意
- 賞与があると少し変わる。 社会保険料は月給と賞与で別々に計算され、上限も違う。ここでは賞与なしで計算した。
- 健康保険料は人によって違う。 協会けんぽの料率は都道府県ごとに違い、大企業の健康保険組合はもっと低いことが多い。
- 住民税は前年の所得で決まる。 新卒1年目は住民税がほぼかからない。ここでは同じ年収が続いた場合の目安。
- 控除を入れると税金は下がる。 生命保険料控除、iDeCo、住宅ローン控除、ふるさと納税などは入れていない。ふるさと納税の上限はふるさと納税シミュレーターで計算できる。
8. よくある質問
Q. 「年収」と「額面」と「手取り」はどう違う? 年収(額面)は、会社が払う給与と賞与の合計で、税金や社会保険料が引かれる前の金額。手取りは、そこから社会保険料・所得税・住民税を引いて、実際に口座に入る金額だ。求人票の「年収」はふつう額面なので、生活費の計算には手取りを使う。
Q. ボーナスがあると、手取りは増える?減る? 年収が同じなら、ボーナスの有無で手取りは大きくは変わらない。社会保険料は月給と賞与で別々に計算されるが、料率は同じだからだ。ただし、厚生年金の上限(月給は65万円、賞与は1回150万円)にかかるかどうかで、高年収の人は少し差が出る。
Q. 新卒1年目は手取りが多いのはなぜ? 住民税は前の年の所得で決まるため、学生だった前年に所得が少なければ、1年目はほとんど住民税がかからない。2年目の6月から住民税が引かれ始め、「給料は上がったのに手取りが減った」と感じる人が多い。
Q. 副業の収入がある場合は? 副業の所得が増えると、所得税と住民税が増える。会社員として入っている健康保険や厚生年金の保険料は、原則として会社の給与だけで決まる。副業の所得が年20万円を超えると、確定申告が必要になる場合がある。
Q. 手取りを増やす方法はある? 税金を減らす控除を使うのが基本だ。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額が所得から引かれ、生命保険料控除や医療費控除、ふるさと納税もある。ふるさと納税は手取りを増やすというより、税金の前払いで返礼品を受け取る仕組みなので、上限を超えないことが大切だ。
9. まとめ
- 2026年度の手取りは、年収500万円で約393万円(月32.8万円)、1,000万円で約727万円(月60.6万円)。
- 引かれる中でいちばん大きいのは社会保険料で、年収の約15%。
- 2026年分は所得税の控除が上がり、年収500万〜600万円で約3万円前後、所得税が下がる。差は年末調整で戻る。
- 自分の条件で知りたいときは、手取り計算に年収を入れると、内訳まで一度に出る。
この記事は2026年10月20日時点の制度に基づく目安で、個別の税額を保証するものではない。
参考資料
参考文献・出典

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