自民党総裁選の仕組みを完全解説：議員票と党員票のバランス

自民党総裁選を理解する

はじめに：なぜ仕組みが複雑に見えるのか

自民党総裁選は、国会議員と全国の党員・党友が同時に関わるため、ルールを知らないと「誰がどこで決めているのか」が掴みづらくなります。本記事では、2025年要項を基に通常選挙と緊急時の簡略選挙の流れを、ポイント形式で整理します。

✅ 基本構造は「国会議員票」と「党員・党友票」から成る二本柱です。

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1. 通常選挙の基本構造

• 国会議員票：自民党所属の衆参議員が1人1票。2025年サイクルは合計295票。
• 党員・党友票（党員算定票）：全国の党員・党友が投票し、結果をドント方式で295ポイントに変換して議員票と合算します。
• 一次投票は合計590ポイントで争い、過半数（295超）で当選。

| 構成要素 | 内訳 | ポイント数 | | --- | --- | --- | | 国会議員票 | 党所属国会議員（衆195・参100） | 295 | | 党員算定票 | 党員・党友の全国投票をドント配分 | 295 |

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2. 決選投票とポイントの縮約

一次投票で過半数が出なかった場合は、上位2名で決選投票を実施します。

• 決選投票の構成：国会議員票295に加え、47都道府県連がそれぞれ1票。
• 各都道府県連の1票は、その地域の党員・党友投票で最多得票だった候補に割り当てられるのが通例です。

🎯 決選では「党員ポイント→都道府県1票」に縮約され、議員票の比重が高まります。

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3. 緊急時の簡略選挙

総裁が任期途中で辞任するなど、時間的余裕がない場合は簡略方式が採用されます。

• 投票主体：国会議員票＋都道府県連代表3票×47＝141票
• 党員投票：全国一斉では行わず、各県連が意向調査や幹部会で3票の行使方法を決めます。
• 2020年の総裁選（菅義偉氏選出）でもこの方式が活用されました。

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4. よくある疑問と誤解

• A. いいえ。党員算定票は常に国会議員票と同数（295）に固定されます。母集団が広がることで民意が精緻になる仕組みです。

Q. 党員が増えれば党員票の重みも増える？

• A. 党友は党外の支援組織経由で一定額以上を寄付した個人など。投票権は付与されますが、党員とは資格が異なります。

Q. 党友と党員は同じ権利？

• A. 党則や選挙要項の改正で変更される可能性があるため、選挙ごとに最新版を確認しましょう。

Q. 制度はどうやって更新される？

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5. 参加するには

• 党員資格：18歳以上の日本国籍、他党籍なし。一般党費は年4,000円。
• 投票権取得条件：総裁選挙の前年と前々年に党費を納める（例：2025年選挙なら2023・2024年に納付）。
• 党友枠：国民政治協会などに2年連続で1万円以上を寄付した個人・法人代表者が対象。

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まとめ：二本柱が制度の肝

1. 一次投票は議員票295＋党員算定票295で均衡。
2. 決選投票は議員票中心＋都道府県47票で最終決定。
3. 緊急時は議員票＋都道府県連代表票（141）で迅速に後継を選ぶ。
4. 党員数の増加は、票の重みではなく投票母集団の広がりとして反映される。

🗳️ 仕組みを知れば、「映像には議員しか映らないのに党員票はどこへ？」という疑問も解消できます。

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参考資料

• 自由民主党「総裁公選規程」「総裁選挙実施要項」（2025年版）
• 全国47都道府県連の総裁選挙関連リリース
• 2020年簡略選挙に関する報道アーカイブ（毎日新聞ほか）