ITフリーランスエンジニアのリアルと副業攻略ガイド

ITフリーランスの収入レンジから案件獲得ルート、社会保険と税金の落とし穴、副業からの始め方、海外案件や個人プロダクトの活用までを整理した実践ガイド。

公開日: 2025年9月17日
読了時間: 2
著者: ぽちょ研究所
読了時間: 2

こんにちは。今回は ITエンジニアがフリーランスとして働く現実 と、会社員が副業から安全に踏み出す方法をデータと経験値でまとめます。


1. 収入レンジと相場感を掴む

データでざっくり把握

エリア / 調査主な数字ひとことメモ
日本(PE-BANK)年収600〜700万円が最多会社員の主要帯より一段高い
日本(厚生労働省)フリーランス全体は200〜400万円が最多分布が広く、中央値は控えめ
米国(Freelance調査)労働人口の約38%がフリーランスリモート需要が継続的に拡大
  • IT領域は 800 万円以上の人が 2 割超と高単価帯が存在する一方、1000 万円超は少数派。
  • 単価の差はスキルだけでなく、営業力・信頼貯金・稼働安定性で決まります。

稼働設計で収入を守る

💡 受注前に「確保できる稼働時間」「期待される役割」「意思決定プロセス」を文章化して共有すると、実働と報酬のズレを防げます。
  • バッファを含んだスケジュール設計で、複数案件の調整ミスを防ぐ。
  • 経費・社会保険料・税金を引き算した「手取りシミュレーション」を年 2 回は更新。

2. 案件獲得ルートと単価アップ術

信頼経由を磨く

  • 高単価案件の 3 割強は「人脈経由」と「既存顧客からの紹介」。
  • コミュニティ参加や共同登壇で「仕事を頼みやすい距離感」を増やす。

エージェントとプラットフォームを併用

  • 特化型エージェントは単価交渉や契約更新を代行してくれるため、営業負荷を抑えられる。
  • レバテックやMidworksなど複数サービスに最新レジュメを置き、稼働希望を常に更新。

勝てる提案の型

  1. 実績は「課題 → 施策 → 数字」で 3 行要約。
  2. 稼働時間・コミュニケーション頻度・成果物を初回提案に明記。
  3. 技術ブログやX(旧Twitter)でのアウトプットを定期化し、検索で見つけてもらう導線を作る。

3. 税金・社会保険の落とし穴

⚠️ フリーランスは厚生年金・健康保険に加入できず、国民年金と国民健康保険へ切り替え。保険料は全額自己負担です。
  • 手取りは会社員より下がりやすいので、年間キャッシュフローに保険料を反映。
  • 失業給付・労災保険が原則対象外なため、就業不能保険や所得補償保険の検討が広がっています。
  • 消費税インボイス登録の有無も、請求単価と手取りに直結するので早めに試算。

4. 副業スタートの5ステップ

  1. 就業規則を確認し、必要なら上長・人事に副業申請。
  2. 週 5〜10 時間で回せる案件をクラウドソーシングや紹介でテスト受注。
  3. 稼働予定と優先順位をクライアントと共有し、本業とのバッティングを避ける。
  4. 収入管理は会計ソフトを使い、経費と領収書を即日入力する習慣を付ける。
  5. 年間 20 万円超の収入は確定申告+住民税の普通徴収手続きをセットで対応。
✅ 副業期は「稼働時間」「成果物」「クライアント評価」をノートに残し、独立時の実績資料として活用しましょう。

5. 海外案件で広がる舞台

  • FAworks 等の調査では、英語を使う案件の月単価は 40〜120 万円と幅広い。
  • Upwork など国際プラットフォームでは、日本・インド・中国のエンジニアが米国企業とフルリモートで協業。
  • 週次スタンドアップや仕様レビューを英語で回す体制が整っているかが採用判断の鍵になります。

語学を仕事レベルに引き上げるコツ

  • 技術ドキュメントを英語で読み、要約を日本語と英語で書き分ける習慣を付ける。
  • 海外SaaSのカスタマーサクセスやコミュニティで「聞く・書く」を同時に鍛える。

6. 個人プロダクトと資産化の選択肢

  • 小さなSaaSやアプリでも、Rakkomaなどのマーケットで数十万〜数百万円の売却例が増加。
  • エンジニアの山田俊さんは半年で6プロダクトを開発し、4つを譲渡して数百万円規模のキャッシュを得ています。
  • トラクションが出たサービスは数千万円規模の買収につながるケースもあり、スキルを資産に変えるルートとして注目度が高まっています。

7. 次のアクションチェックリスト

  • [ ] スキル棚卸しシートを作成し、最新プロジェクトの成果を定量化。
  • [ ] ポートフォリオ・SNS・ブログを 1 か所更新して「見つけやすさ」を改善。
  • [ ] 社会保険と税金の試算シートを更新し、年間キャッシュフローを把握。
  • [ ] 副業か、単価再交渉か、海外案件か——次に挑戦する 1 テーマを決める。
  • 小さく回せる実験を積み重ね、信頼残高と情報量を増やしていきましょう。それがフリーランスとしての選択肢を一気に広げる近道です。

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