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平均95.6万円、中央値50万円——この差が相場の正体
ホームページ制作の費用を調べると、「5万円から」と「300万円から」が同じ検索結果に並びます。どちらも嘘ではありません。ただ、この幅の中で自分がどこに立つのかが分からないまま見積もりを取ると、比較のしようがありません。
手がかりになる数字が一つあります。2026年時点の調査で、コーポレートサイト制作費の平均は95.6万円、中央値は50万円とされています。
平均が中央値のほぼ2倍。これは、少数の高額案件が平均を引き上げていることを意味します。実際に多くの会社が払っている額は50万円前後で、100万円近い「平均」は、数百万円規模の案件に引っ張られた数字です。
💡 相場を聞かれて「約95万円です」と答えるのは、統計としては正しくても実感としては外れます。自分が中央値側なのか、平均を押し上げている側なのかを先に決めるべきです。
この記事は、その「自分がどこに立つのか」を決めるための整理です。
⚠️ 金額は2026年時点の各種調査の目安です。地域、業種、依頼時期で変動します。
何にお金がかかっているのか
金額の幅を理解するには、内訳を知るのが早道です。制作費は主に4つに分かれます。
| 項目 | 何をするか | 費用が動く要因 |
|---|---|---|
| ディレクション・設計 | 目的整理、サイト構成、要件定義 | ページ数、関係者の多さ |
| デザイン | 画面のデザイン。トップと下層で単価が違う | オリジナルかテンプレートか |
| コーディング・実装 | HTML/CSS、CMS組み込み、フォーム | ページ数、動きの量、CMSの有無 |
| 原稿・写真 | 文章作成、撮影、素材購入 | 自社で用意するかどうか |
見積もりが跳ね上がる典型は、「原稿と写真をこちらで用意します」が含まれている場合です。逆に、文章と写真を自社で出せるなら、同じページ数でも数十万円変わります。
見積もりを比較するときは、総額ではなくこの4項目のどれが入っていて、どれが入っていないかを並べると、なぜ差が出ているのかが見えます。
規模別の目安
2026年の各種調査を整理すると、おおよそ次のレンジになります。
小規模コーポレートサイト(5ページ前後)
- 15万〜65万円
- 会社概要、事業内容、お問い合わせなど最小構成
- テンプレートベースなら下限側、オリジナルデザインなら上限側
中規模コーポレートサイト(30ページ前後)
- 30万〜125万円
- 事業部ごとのページ、実績紹介、採用情報など
- CMS(WordPress等)導入が一般的になる規模
集客型コーポレートサイト
- 50万〜150万円
- SEO設計、コンテンツ設計、アクセス解析の設定を含む
- 「作る」だけでなく「集める」ための設計が入るぶん上がる
大規模サイト
- 150万円以上
- 多言語、会員機能、基幹システム連携などが入るとさらに上へ
ECサイト
商品数とシステム連携で大きく変わります。ASP型(Shopify、BASEなど)を使えば初期費用を大幅に抑えられる一方、独自の在庫管理や基幹連携が必要になると跳ね上がります。
誰に頼むかで、何が変わるのか
金額だけでなく、リスクの置き場所が変わります。
フリーランス
- 価格は抑えやすい
- 意思決定が速く、細かい要望が通りやすい
- リスク: 体調・繁忙・廃業で止まる。引き継ぎ資料が無いと後任が入れない
対策は、制作物とアカウントの所有権を自社に置くことです。ドメイン、サーバー、CMSの管理者権限を自社名義で取っておけば、担当が替わっても続けられます。
小〜中規模制作会社
- デザインと実装の体制があり、担当が替わっても続く
- 保守契約とセットになることが多い
- リスク: 保守費が固定費として効いてくる
大手制作会社
- 戦略立案から運用までワンストップ
- 大規模・多部署のプロジェクトで力を発揮する
- リスク: 小さな修正にも工数と時間がかかる
自作(ノーコード)
Wix、STUDIO、Squarespaceなどを使えば、月数千円で運用できます。名刺代わりのサイトなら十分成立します。
リスクは自分の時間です。制作会社に50万円払う代わりに、自分の時間を100時間使うなら、時給5,000円の仕事を100時間分削っていることになります。安いかどうかは、その時間で何ができたかで決まります。
忘れられがちな維持費
作って終わりではありません。年単位でかかる費用があります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| サーバー | 月500〜2,000円 |
| ドメイン | 年1,000〜3,000円 |
| SSL証明書 | 無料〜(Let's Encrypt等)/有料なら年数千円〜 |
| 保守・更新(外注する場合) | 月1万〜3万円 |
外注の保守を入れない場合は月1,000〜3,000円程度、入れる場合は月5,000〜3万円程度が合計の目安です。
保守費で見落とされやすいのがCMSです。WordPressを使うなら、本体・テーマ・プラグインの更新を止めた瞬間に脆弱性が残ります。更新を誰がやるのかを決めていない契約は、数年後に必ず問題になります。
2026年時点で変わったこと
ノーコードとAIでデザインの下限が下がりました。 テンプレート+AI生成のデザインで、見た目だけなら以前の数十万円相当のものが自作で作れます。
一方で、下がっていない部分があります。
- 何を載せるか決める設計
- 検索で見つけてもらうための構成
- 問い合わせにつなげる導線
- 更新を続ける運用
つまり、「作る」のコストは下がり、「効かせる」のコストは下がっていません。安く作れるようになったぶん、同じ見た目のサイトが増えたので、差がつくのは中身と運用の側に移りました。
見積もりを見るときは、「デザイン費」より「設計と運用に何時間見ているか」を見た方が、価格の妥当性は判断しやすくなります。
見積もりを比較するときのチェックリスト
- 原稿と写真は誰が用意するか。 ここが最大の変動要因。
- ページ数の数え方は揃っているか。 A社の「10ページ」とB社の「10ページ」が同じとは限らない。
- CMSは入るか。自分で更新できる範囲はどこまでか。
- ドメイン・サーバー・CMSの管理権限は自社名義か。 ここが相手名義だと乗り換えられない。
- 保守の内容は何か。 「保守」に更新作業が含まれるのか、監視だけなのか。
- 公開後の修正は何回まで無料か。
- 納品物にデザインデータとソースは含まれるか。
このうち4番が最重要です。金額の差より、乗り換えられない状態を作らないことの方が長期のコストに効きます。
まとめ
- コーポレートサイトの平均は95.6万円、中央値は50万円。この差は少数の高額案件によるもので、多くの会社の実感は50万円前後。
- 規模別の目安は、小規模(5ページ)15〜65万円、中規模(30ページ)30〜125万円、集客型50〜150万円、大規模150万円以上。
- 金額が動く最大の要因は原稿と写真を誰が用意するか。
- 維持費は外注保守なしで月1,000〜3,000円、ありで月5,000〜3万円。
- ノーコードとAIで「作る」コストは下がったが、「効かせる」コストは下がっていない。
- 見積もり比較で一番大事なのは金額ではなく、ドメイン・サーバー・CMSの権限が自社名義かどうか。
参考
- 各種2026年版ホームページ制作費用調査(コーポレートサイト平均95.6万円/中央値50万円、規模別レンジ、運用費の目安)

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